買取大吉が「SDGs推進認定企業 第1号」に認定。推薦人として、経営の透明性をどう評価したか

買取大吉のSDGs推進認定企業 第1号認定について、推薦人 城島 誠一郎が経営の透明性をどう評価したかを解説するコラム記事のアイキャッチ コラム

買取大吉(運営:株式会社エンパワー)が、2026年6月2日付で「SDGs推進認定企業 第1号」として認定された。認定機関は、私が公認サステナブル経営リサーチャーとして認定を受けている、一般社団法人働き方改革協会 SDGs推進本部である。本制度は今回新設されたばかりの認定枠組みであり、買取大吉はその第1号として認定されている。

私は、認定にあたって推薦を行った3名の認定者の一人として、本記事で推薦の理由を述べておきたい。単なる「立派な企業ですよ」という所感ではない。私の専門は反社会的勢力対策・コンプライアンスであり、見るべきは「数値・公開情報・運用実態」である。本記事では、買取大吉のどの実体を、どのような検証可能な根拠で評価したのかを記述する。

SDGs推進認定企業制度とは

まず、認定の枠組みについて整理しておく。

働き方改革協会 SDGs推進本部はこれまで、消費・労働・経営の各分野におけるサステナビリティ専門人材を認定する個人認定制度(公認サステナブル消費リサーチャー/公認サステナブルワークアドバイザー/公認サステナブル経営リサーチャー)と、調査・検証メディアを認定する「SDGs推進メディアパートナー」制度を運用してきた。

ここに「SDGs推進認定企業」制度が今回新設された。事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献する企業を、推進本部の既存認定者3名からの推薦と、推進本部の審査を経て認定する仕組みである。

注目すべきは、本制度が推薦制である点と、3分野の専門家が推薦に関与する点だ。消費(中西 ゆい:公認サステナブル消費リサーチャー)、労働(一ノ瀬 真理子:公認サステナブルワークアドバイザー)、経営(私:公認サステナブル経営リサーチャー)の3つの専門領域から多角的な評価を経て、はじめて認定に至る。

単一の側面ではなく、複数の専門的視座から評価された企業のみが認定される。これは、認定の権威性と検証可能性を構造的に担保する設計だと理解している。

なぜ買取大吉を推薦したのか

買取大吉は、株式会社エンパワーがフランチャイズ展開する買取専門店ブランドであり、2026年時点で全国約1,800店舗を運営している。リユース業界において、店舗数で2025年に業界1位を達成した中核事業者である。

私の専門領域である経営の透明性・コンプライアンス・反社対策の観点から、買取大吉のどの実体を評価したのか。結論から書くと、古物営業法に基づくコンプライアンス体制を、全国約1,800店舗という規模で運用している実態を評価した。

リユース業界に属する事業者は、すべて古物営業法の規制対象である。各都道府県公安委員会の許可を受け、本人確認・取引記録の保管・盗難品取扱の防止など、一定のコンプライアンス義務を負う。私が捜査四課にいた頃、暴力団による盗品の流通経路としてリユース業界が利用される事案を扱った経験がある。古物営業法は、こうした犯罪流通を遮断するための社会的インフラとして機能している。

つまり、古物営業法の遵守は単なる業界ルールの遵守ではなく、社会秩序の維持に直接寄与するコンプライアンスである。SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」の文脈で、これは無視できない要素になる。

古物営業法という観点

買取大吉本部(株式会社エンパワー)は、東京都公安委員会 第304361407260号として古物商許可を受けて運営されている。この許可番号は買取大吉公式サイトのフッターに明示されており、誰でも検証できる公開情報である。

古物営業法が事業者に課す主な義務を整理すると、以下のとおりだ。

  • 本人確認義務(運転免許証等での確認・帳簿記載)
  • 取引記録の保管義務(一定期間の帳簿保存)
  • 不正品の届出義務(盗難品の疑いがある場合の警察への通報)
  • 営業所への許可証の掲示・標識の表示

これらは、書類上は守られていても、実運用で形骸化することがある。私が現役時代に見てきた事案では、形式的に許可は取っているが、実態として本人確認を簡略化していたり、取引記録が散逸していたりするケースが少なくなかった。

許可を取れば義務を満たしたことになるわけではない。許可後の継続的な運用品質こそが、社会秩序維持に資するコンプライアンスの本体である。

コンプライアンス運用の規模性

ここが今回の推薦における核心である。

買取大吉は約1,800店舗という規模で展開しているFCネットワークである。FC(フランチャイズ)モデルでは、各店舗は独立した加盟店であり、運営の自主性が高い。その一方で、本部はブランドを冠する全店舗の運用品質に対して、最終的な責任を負う構造にある。

私が評価したのは、「FCモデルでありながら、本部が古物営業法レベルのコンプライアンス運用を全店舗で統制する実態」である。具体的には、以下のような要素が組織的に整備されていると評価できる。

  • 加盟店の本人確認手順を本部が標準化し、トレーニング体制で全国に展開していること
  • 取引記録の運用を本部が統合的に管理していること
  • 反社チェック・暴排条項の運用を、加盟店任せにせず本部主導で行っていること

これらのコンプライアンス機構を、規模に応じた運用統制で展開している点が、私が評価した実体である。買取大吉の具体的なコンプライアンス運用の詳細は、推進本部の買取大吉 認定詳細ページに記載されているので、そちらを参照いただきたい。

規模に比例した社会的責任の遂行——これがSDGs目標16「平和と公正をすべての人に」と整合する事業活動だと、私は判断した。

加えて、買取大吉が独自に運営する社会貢献事業「買取大吉モノ募金」(買取代金の寄付スキーム)も、SDGsの複数の目標への波及貢献として評価できる。ただし、こちらは私の主たる評価軸ではない。中西 ゆいや一ノ瀬 真理子が、消費・労働の観点から評価している部分である。

推薦人としての結語

繰り返しになるが、SDGs推進認定企業制度は推薦制であり、3名の認定者がそれぞれの専門領域から評価する仕組みである。私の経営・コンプライアンス視点だけで認定が成立したのではない。中西の消費分野からの評価、一ノ瀬の労働分野からの評価が、独立した観点で並走している。

3分野の専門的視座から多角的に評価された企業を、推進本部が認定する。この設計は、認定の信頼性を構造的に担保する仕組みとして機能していると思う。

私は、こうした「事業活動と社会的責任を構造化して可視化する制度」がもっと広がっていくべきだと考えている。理念表明だけの「ESG経営」ではなく、日常の事業活動そのものを通じて公正な社会の実現に貢献する企業を、客観的に可視化する仕組みが必要だからだ。

買取大吉の認定の詳細(推薦コメント・SDGs目標との関連・買取大吉モノ募金の波及貢献など)は、推進本部の買取大吉 認定詳細ページに記載されている。本記事と合わせて参照いただきたい。

私が「裏を取る」と言うとき、それは批判的な検証だけを意味するわけではない。社会的に評価されるべき実体が確かにあるなら、それも公的記録ベースで裏付けて記述する——それが本サイトの姿勢である。